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want to be ...
第22章 Request Story♡ バレンタインデー






「…こんなに食えるかっての」


「あっ矢野さん!おはようございますーっ」


朝から胸焼けしそうなくらい甘ったるい声で挨拶してきた同僚の、…名前忘れたけど女の子に挨拶を返すと。


「あたしのこれです!本命ですからねっ」


物体の山から綺麗にラッピングされた箱を取り、俺に渡してくる。


わざとらしいくらいの上目遣いだ。


周りから感じる妬みと羨望の視線。


主に男から。


あ?この女何かあんのか?


モテてるとか?


俺杏奈にしか興味ねぇから分かんねぇわ。


確かにいかにも女の子ーって感じで可愛いけど。


カラコンの入った目をぱちぱちと瞬きさせて首を傾げてみせるその子。


悪ぃな…色仕掛けのつもりか何だか知らんが、俺には効かねぇんだな…お前を遥かに上回る''天然''の可愛い女の仕草で嫌ほど慣れてるもんで。


差し出されてる箱をそっと押し返し、


「悪ぃ。本命貰うのは1人からって決めてんの。
俺その子の事しか考えられねぇから…
気持ちは嬉しいけど、本命なら受け取れねぇわ。
頑張って作ってくれたんだよな?ごめんな」


そう言って笑った。


すると、その子の大きく見開かれた目から大粒の涙が溢れ、くるりと向きを変えて走っていってしまった。


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