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want to be ...
第22章 Request Story♡ バレンタインデー
「ねぇえー!矢野さんて彼女いたのー!?
知らなかったんだけどぉお」
「えぇちょっと知らなかったのー…?
いかにも彼女が作りましたって感じのお弁当
いつも食べてるじゃん…」
「知らなかったぁショック〜〜」
会話筒抜けの声を背にため息を吐いて席に座り、積み上げられた大量の物体をどうしようかと考えてると。
「公開処刑…。罪深い男だね、お前も」
「…あ?」
同期の根岸(ねぎし)が話しかけてきた。
「罪深いってお前…
チョコレートは好きだけど本命は貰えねぇよ。
本命は1人からしか受け取らねぇ主義だから」
「うっわぁ可哀想に川合(かわい)ちゃん…。
あのチョコ俺が貰いてぇ…!
…って、誰なんだよ本命。女共が黙ってねぇぞ。
お前いかにも女に不自由してなくて
取っ替え引っ替えしてそーな顔してんのに、
そんな相手いんのかよ」
「あん?失礼だな。いるよ」
既に人のものだけど、毎年俺にも手作りのチョコくれる、小学1年の頃からずっと片思いしてる、恐ろしく綺麗な女。
…ではなく、実はセフレだけど、もう俺の中では自分の女だと思い込んでる、同棲してる女。
チョコレートは好きだけど、もうこの際…貰うのはあいつからだけでいい。
あいつからの、たった1つで十分だ。
「だから返してくるわ、こいつら」
「ふぅん。…はぁっ!?返してくる!?
お前…モテるくせにほんと女心分かってねぇよな」
「…あ?」