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want to be ...
第22章 Request Story♡ バレンタインデー
危ない危ない…
蒼汰さんに怒られちゃうところだった。
この部屋の扉は締まったら自動的にロックが掛かるんだけど、カードキーで二重鍵を掛ける事が出来る。
意外とセキュリティにうるさい蒼汰さんは、蒼汰さんが先に帰って来た時二重鍵が掛かってなかったら凄く怒るから、お仕置きされないように外出する時は必ず締めるように気を付けてる。
寝室に入り、ベッドの上のたくさんの服に埋もれていたスマホをとり、片付けようと一着を手に取ったけど、時間がない事を思い出し再びベッドに置く。
「…帰ってきたらちゃんと片付けますからっ」
誰にあてるでもなくそう呟き、部屋を出る。
3つあるエレベーターの止まっている階を確認し、3つ全ての下向きの矢印のボタンを押す。
一番早く着いたのに乗ろう!
そう思って少し待ってると。
真ん中の箱が7階で止まり、扉が開いた。
急いで乗ると、若い男の子が2人乗ってて。
「やば、超可愛い」
とか何とか聞こえたけど、電車に遅れずに乗る事しか考えてないあたしは気にせず、おりていくエレベーターの箱に身を委ねる。
1階に着くと、すぐに箱を下りて入口に走った。
腕時計を見ると…発車時刻まであと3分!
これも逃しちゃったらやばい!急がなきゃ!
本日2度目の駅までのダッシュ。
駅に着くと、急いでスマホを翳して改札を抜ける。
「は、…っ、はぁ~…」
ホームに着くと、安心からか体から力が抜けて、凭れるように壁に寄りかかった。