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want to be ...
第22章 Request Story♡ バレンタインデー
よかったぁ…何とか間に合った。
麻友に少し遅れる事を伝えるメールを送り、息が落ち着くと電車待ちの列に並ぶ。
すぐに滑り込んできた電車の吊革に掴まりため息。
着いたら皆に謝らないとな。
そう思いながら窓の外を流れる景色を眺める。
S駅に着き、人混みに紛れて降りようとすると。
「っぶ!」
後ろから押されたと思ったら、前を歩いていた男の人の背中に顔をうずめてしまった。
しかも。
「…っ!?」
後ろから抱きつくように男の人に覆い被せられて、男の人2人に挟まれる形になってしまう。
…うん、慣れてるっちゃ慣れてるけど…
満員電車の恐ろしさを改めて実感。
それに、後ろでひたすら
「ごめん、マジすいません…っ」
って聞こえるから、わざとではないんだろう。
ようやくホームに降り立ち、たくさんの人に紛れて駅口まで急ぐ。
歩きながら麻友の番号を探し出し、コールする。
…と、すぐに出てくれた麻友。
「杏奈?今どこ?」
「今電車降りたとこなのっ」
「駅?あたし達ね、○○○の前にいるんだけど…
そこまで来れる~?」
「あ!そこならもう着く~」
「おっけ!んじゃ切るね~」
「はーい」