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want to be ...
第25章 Request Story♡ 2人の1日 Ⅲ
「…、…分かんねぇの?」
な、何がですか!?
「何で俺が、こんな取り乱してるか…分かんねぇ?」
え!?ま、全く!?
な、何でだろう…あ!
分かった、蒼汰さん…
金魚すくいで金魚一匹も取れなかったからかな!?
絶対それだ!
あたしは5匹取れたけど蒼汰さん全然だめで、子供みたいに拗ねて頬膨らませてたもん!
「金魚すくいですね!?大丈夫です、
慣れたらいっぱい取れるようになりますよ!
あたしも最初は全然だめでしたけど、でも…」
「はぁ!?…っちげーよ!あぁもうほんとに…っ、
…、…嫉妬。嫉妬したんだよ!」
…しっと?
シット…shitto。
…shut?
「…あぁ!蒼汰さん今日、余り喋らなかったですね!
どうしたんですか?」
「あぁっ!?」
端整な顔を歪ませる蒼汰さんに少し驚くと。
「バカかお前は!この鈍ちんが…っ嫉妬だよ!
あぁ違う…ヤキモチ!ヤキモチ妬いたの!」
真っ赤な顔で叫ばれ、あたしの脳内に、網の上で、白い餅がぷくーっと膨れ、パンと破れる光景が浮かび上がる。
お餅か…おいしそう。
…じゃなくて!
「ヤキモチ!?」
「っ…」
小さくこくりと頷く蒼汰さん。
「えっなっ何で!?あたしにヤキモチなんて…っ」
「…お前、モテすぎだから」
「は?」
小さくて聞こえなかった…
ん?俺モテすぎだから?
うん、ほんとそうだよね…びっくりしたよ、蒼汰さんのモテ加減には。