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want to be ...
第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈
「あぁっ!?してねぇよ!飛行機乗った事あるわ!
肝心なところで鈍感とかどういう事だよほんと…っ」
最後の言葉を超早口の小声で呟いた蒼汰さんがあたしを真剣な表情で見据えた。
「…杏奈。俺の帰る場所は、ここだから。
杏奈がいるここだけだから。覚えとけ」
…ずきゅーん!
あたしの心臓に、凄い勢いでまっすぐ飛んできた矢が突き刺さる。
な…っ何今の!
甘い…甘すぎます蒼汰さん!
…勘違い、しちゃいます…
あたしは、美咲さんの代わりなんだから。
予行練習なのかもしれないじゃん、本命の、美咲さんに言うための。
鵜呑みにしない方がいい。
けど…
小さく頷くあたしに優しく微笑む蒼汰さん。
「ほんとは抱いてから行きてぇんだけど…
美咲拾って行かなきゃだからな。
そろそろ…行くわ」
「あ…っ」
玄関を裸足で出て蒼汰さんを見上げ、その姿をしっかり目に焼き付ける。
「行ってらっしゃい…気をつけて」
「あぁ、ありがとう」
笑ってキスをくれた後、スーツケースを引いて隣の部屋の前にいくと、チャイムを押す蒼汰さん。