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want to be ...
第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈
踊り場の床に、落ちた時に頭打っちゃったんだ。
あたしを守ってくれたせいで…
「大樹さ…っありがとう、ごめんなさい…っ」
部屋に戻って、冷やさないと。
他に怪我しちゃったところあるかもしれないし…
「大樹さん。大樹さん…」
頭を打った勢いで気絶しちゃったのかもしれない。
どれだけ体を揺すっても起きる気配がないから、自力で大樹さんの体を起こし、両腕を持っておんぶするようにあたしに寄りかからせた。
お…お、重い。
それでもゆっくり歩いて、エレベーターまで大樹さんの足を引きずっちゃってるけど歩く。
何とかボタンを押して、4階から上がってくる箱の番号に安堵のため息を吐く。
開いた箱の中に誰も乗っていないのを見て、更に安堵の大きなため息を吐いてしまう。
7階に着くと、また懸命に大樹さんを背負ったままエレベーターを降りた。
「はぁ、…ふぅ」
何とか扉を開け、靴を脱いで上がり大樹さんを寝室まで運び、ベッドに2人で倒れた。
「…っはぁ!」
急いで起き上がって大樹さんの靴を脱がせて玄関に持っていき、適当に脱いで散らかってる自分の靴も揃えて隣に並べる。