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第26章 Secret Story 大樹 × 杏奈






お風呂場に走って洗面器を取ると、キッチンで冷凍庫から大量の氷を取って洗面器に入れ、その中に冷たい水を注ぐ。


注いでる間に冷凍庫から氷枕を取り出してハンドタオルに包んだ。


水が洗面器いっぱいになると、水を止めてハンドタオルを洗面器の中に沈め、氷枕と洗面器をトレイに載せて寝室に向かう。


長い足がベッドからはみ出しているのを見て大樹さんの両脇を持ってベッドの上まで引きずり、何とか綺麗にベッドに大樹さんの体を収めると、持ってきた氷枕を大樹さんの頭の下に敷いてその上に、腫れてしまった膨らみに当たるように冷たいタオルを置く。


これで少しはよくなるといいけど…


病院行った方がいいかな?


行った方がいいよね?


でも救急車…ってのは違う気がするな。


大樹さんが目を醒ましたら、一緒に行こう。


そう思って、やらなきゃいけない事をしながら大樹さんの様子を窺っていたけど。


「…、何で…?」


一向に目を醒ます気配がない大樹さん。


どうして目を醒まさないの…?


「し、失礼します」


大樹さんの胸に手を当ててみたけど、心音はゆっくりと、でもしっかりと聞こえる。


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