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want to be ...
第29章 素直な気持ち 雫SIDE
ため息を吐いて立ち上がり、男の人を見下ろす。
恐る恐る男の人の体を跨ぎ、しゃがみ込んで男の人の体に触れる。
…ほら。
体冷たい。
いつからいたんだろう、この人。
顔は真っ赤だけど、体冷たいよ?
「お兄さーんっ」
肩をがくがく揺さぶって声をかけてると、ようやく男の人が反応を示した。
「…、んん」
…わ、いい声。
瞬きを繰り返す男の人を見つめてると、あたしを見上げた男の人の口から飛び出した言葉に口があんぐり開いた。
「…あぁ。いやぁどうも、助けていただいて。
可愛らしい方ですねぇ…俺と結婚してください」
「…」
…は。
しばらく言葉の意味を理解出来ず、離れようとしたあたしの腕を強く掴んだ男の人。
「なっ…、は!?え、ちょっと!
冗談だとしてもおかしいですよ!?」
「こんな事冗談で言わねぇよー…」
「いやいや、おかしい!おかしいってっ…あっ」
腕を引かれて男の人の胸の中に倒れ込み、強く抱き締められる。
腕…広い。
包まれてるみたい…
少ーしだけ安心したのも束の間。
顔を持たれて唇を塞がれた。
「…っ、んー!」
酒っ…酒くさい!
そう思えたのも一瞬だった。