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want to be ...
第5章 関係
「一番高くて水色」
って言ったよね?
ものすごーく…有り得ないくらい大雑把だな…
外観が水色の、高層マンションってことかな?
それとも家賃がS区で一番高いってこと?
えぇ…?
…頑張って探そう。
目を閉じて弄ばれた身体を癒してると、火照りが段々冷えていく。
…ちょっと寒いな。
腰のくびれまでかかってた毛布を掴み、肩まで被る。
ぴったりと背中に感じる彼の体温。
彼はあたしの方を向いて、あたしは彼から背くように寝てるから、彼が今どんな表情をしてるのか分からない。
マンション…か。
お金持ちなのかな?
夜景とか綺麗なんだろうなぁ…
…あれ?
一番高くて水色のマンションだとは分かったけど…
階と部屋番号聞いてないじゃん!
「あの…蒼汰さん。階と部屋番号教えてください」
「…えー、どうしよ」
振り向いて聞くと、やっと聞いたかというような表情で面白そうに呟く蒼汰さん。
あなたは人をからかうのが好きなんですか?
人を、…というか、あたしを。
最近のあなたはあたしを美咲さんとして見ないから…杏奈として見てくれるから、戸惑うんです。
あなたに「杏奈」と呼ばれる度、あたしがどれだけ喜びで溢れてるか…あなたは知ってますか?
毎日のようにあたしを抱く蒼汰さん…もしかして、抱いてるのはあたしだけなのかなって…自惚れてしまう。
お互い干渉しない約束だったのに、マンションに呼んでくれるなんて…少しでも近付けたって、思ってもいい…?
「ふ、…どうすっかな」