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want to be ...
第29章 素直な気持ち 雫SIDE
人との出会いって大事だな。
もちろんあたしの事を好かない人はいるだろうし、むしろそんな人の方が多いだろうけど、それでもあたしの傍にいてくれて、仲良くしてくれる人達がいる。
そんな人達は、少なくてもいい。
その分、その人達に与えられる愛情が多くなる。
…今戻って来た杏奈に対してもそう。
やけに顔を真っ赤にして矢野さんに腕を引かれて来た杏奈。
…どこでナニしてたんだか。
「…杏奈。黙らされて来たの?」
「!」
咄嗟に口を隠した杏奈。
…分かりやすすぎでしょ!
「…っ、キ、キスされてきたんだ?」
笑いを堪えながら聞くと。
「なっなっ、何で分かったのっ!?」
いや、誰だって分かるでしょ、今の反応だったら!
「…杏奈可愛すぎ」
「だろ〜?雫ちゃん。ほんと可愛いわこいつ」
「…矢野さん、唇に杏奈の口紅付いてる」
「っ!?」
慌てて口を拭う矢野さんも、杏奈と同じく可愛い。
お腹を抱えて笑ってると、知らない男の人達と楽しそうに話してた瑞季が戻ってくる。
「何爆笑してんだ、雫」
「この2人面白くて…っ」
「もうちょっと上品に笑えよ…」
「あっはは、ひど…っ」
「そこの幸せそうなお2人ー!
一緒に写真撮ってくださーいっ」
「はいはい」
「あっははははは」
「笑いすぎ」
「怒るよ雫ー…」
「な、まだ付いてる?」
「付いてる付いてる」
少し体を屈んで杏奈に唇を触られてる矢野さん。
…お幸せにね、2人共。