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want to be ...
第5章 関係
穏やかなあなたは慣れない。
あたしを美咲さんとしてじゃなく、杏奈として求められてるように感じてしまうから…。
愚かな勘違いなのに…あなたに恋するあたしは自分に都合よく受け取ってしまうんです。
でも…あなたの言葉で気付かされてしまった。
自分では全く実感なんてないし、何度も美咲さんを見て考えてるけど、全然似てなんていない。
どうやらあたしは美咲さんと似てるらしい。
顔の造り、雰囲気が。
あんな完璧な美人さんと似てるなんてバチが当たっちゃう…
数か月前蒼汰さんが、イきすぎて意識も絶え絶えなあたしの頬を撫でながら
「あぁ…美咲にそっくり」
って言った時、火照りが冷えて…悟った。
やっぱりあなたは…美咲さんしか見えてないんだ。
勘違いなんて、本当に愚かなことなんだ。
蒼汰さんはあたしを、美咲さんに似てるから傍に置いて抱いてるだけなんだ。
それを知り、蒼汰さんが帰ったあと泣き崩れた。
どんな酷い言葉や行為にも耐えてきたけど、その言葉にはどうしても耐えられなかった。
あたしの思い違いかもしれないけど、悪い風にしか捉えられなかった。
でもよくよく考えると、蒼汰さんは14年もの長い年月…というか、今も。
長い間美咲さんだけを愛してきたんだよね。