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want to be ...
第7章 解…消?
案の定すぐに身体に物足りなさを感じて蒼汰さんに会いに行くと。
酷くやつれた彼の姿に驚いた。
そして、なぜか酷く穏やかな表情の蒼汰さんに優しく招き入れられて。
怒って出て来る蒼汰さんを予想してたのに。
拍子抜けだった。
だけど、乱れた部屋と、やせ細った蒼汰さんを見て、あたしのことで少しは悩んでくれたのかな、って、ちょっとだけ嬉しくなった。
「今日は特別に許してやるから、
俺に言いたいこと隠さず全部ぶちまけろ」
ベッドの上で後ろから抱き締められてそう言われて、怒りに任せて蒼汰さんへの自分の思いを叫んだ。
「何で2人が結婚した後も美咲さんを思ってるの」
「あたしがいるじゃない。
どうしてあたしの思いに応えてくれないの」
「狡いよ…今まであたしを振り回しておいて
あたしを杏奈って呼びながら抱いておいて
やっぱり美咲さんなんて狡い」
「お願いだからもうあたしと美咲さんを重ねないで。
…あたしを見てよ、あたしだけを見てほしいよ」
「蒼汰さんが好き。
どんなあなたでも好きなの、離れたくないよ」
「あたしを、選んで…」
最後になるにつれて涙が溢れてきて、泣いて蒼汰さんの足を叩きながら叫んだ。
叫び終えて息を整える。
蒼汰さんは、何も言葉を発しなくて。
あたしは蒼汰さんに背を向けてるから、蒼汰さんがどんな表情を浮かべてるか分からなくて。