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want to be ...
第2章 出会い
あたしを誰かと重ね合わせてる、…か、誰も映してない。
そっと頬に触れると、びく、と体を震わせた彼。
「泣いた跡…」
小さく呟くと、あたしを二重の瞳で射抜くように見つめ、目を逸らされた。
「っ…、触んじゃねぇよ…」
そう呟いた彼の声は、震えてた。
あぁ…悪い癖だ。
助けて、あげたくなる…
彼の細い首に腕を回し、そっと引き寄せた。
「大丈夫…です」
またびく、と震えた彼の体。
柔らかな髪を、そっと撫でた。
小さい頃…あたしが泣いた時、ママはいつもこうしてくれてたから。
しばらく頭を優しく撫でてて、気付いたら彼は綺麗な寝顔を見せて眠っていた。
…あらら。
スー…と柔らかな寝息が彼の口から洩れ、規則正しく上下する体。
寝ちゃってる…
…重い。
しばらくそのままでいたけど、重さに堪えられなくなってきた…
ゆっくり彼の体から体をずらしていく。
最後に左足を抜き終わり…ホッと息を吐いた。
何とか抜け出せた…
問題はここからだよね。
この人置いてここ出る訳にもいかないし、かと言ってここにずっといるのもなぁ…
彼を起こさないようふかふかなベッドに腰掛けると、体が柔らかく沈む。