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第12章 絡んだ糸のように

イケメンで筋肉質だけれど小柄な真くんと、更に小柄な里奈ちゃんは並ぶとビジュアル的にもお似合いだから。




―――真くん里奈ちゃんのこと‥、好きになっちゃうのかな。




あんなに優しくて。可愛くて。
そして‥今は守ってあげなきゃいけない里奈ちゃん。




―――男のひとなら‥きっと好きになる。




里奈ちゃんはあの日以来少し沈みがちで。


仕事中は頑張って笑顔なのに、一人になると辛そうで。


里奈ちゃんの苦しみを少しでも軽くして上げたいのに、私は何もしてあげられなくて―――。




でも。
最近、少しづつ笑顔が増えてきた里奈ちゃん。


それって多分‥真くんのおかげ、だよね。


絵になる二人の姿。職場の中では、

―――あの男のひとは里奈ちゃんの恋人らしい‥。

そんな噂が流れ始めていた。


自分の過去と向き合う術をまだ持たない里奈ちゃんは、曖昧な笑みでやり過ごしていたけれど。



でも‥噂だけじゃないかも知れない。
そう思えて――――。



そして、私は―――。


それが現実になったのをこの目で、見てしまったのだ。