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アンバランスなsweet
第13章 重なる唇

「良くお似合い‥ですよ。」
美容師さんの優しい微笑みにちょっとホッとする。
鏡の中では、ヘアサロンを訪れた私とは全然違う私が、私のことを見つめていた。
(自分‥じゃない、みたい)
《髪を肩位の長さに切ってくれないかな?》
片桐さんのお願い。
レセプトも終了して。
明日の日曜日は片桐さんとのデート。
この間の夜に片桐さんから言われた通り、
私は髪をcutしに久しぶりにヘアサロンに足を運んでいた。
腰近くまで合った長い髪。
こだわりがあって伸ばしていた訳では無いんだけれど。
でも。やっぱり――。
思い入れが無いとはいえ、20㎝以上も髪をcutするのは少し寂しい。
私なんか、どうやったって可愛くないから。
そんな思いにとらわれていた私は、
いつもは揃え、毛先を梳いて貰うだけだった。
近所の美容院で顔馴染みの美容師さんに切ってもらっていたんだけれど。
「うちをご贔屓にしてくれる紫乃ちゃんには感謝してるんだけどねぇ、若いんだから新しいお店にもチャレンジしてみな、よ。」
その美容師さんはいつもそう言って良く笑う女性で。
本当は――、そのひとに切って貰いたかったけれど。
美容師さんの優しい微笑みにちょっとホッとする。
鏡の中では、ヘアサロンを訪れた私とは全然違う私が、私のことを見つめていた。
(自分‥じゃない、みたい)
《髪を肩位の長さに切ってくれないかな?》
片桐さんのお願い。
レセプトも終了して。
明日の日曜日は片桐さんとのデート。
この間の夜に片桐さんから言われた通り、
私は髪をcutしに久しぶりにヘアサロンに足を運んでいた。
腰近くまで合った長い髪。
こだわりがあって伸ばしていた訳では無いんだけれど。
でも。やっぱり――。
思い入れが無いとはいえ、20㎝以上も髪をcutするのは少し寂しい。
私なんか、どうやったって可愛くないから。
そんな思いにとらわれていた私は、
いつもは揃え、毛先を梳いて貰うだけだった。
近所の美容院で顔馴染みの美容師さんに切ってもらっていたんだけれど。
「うちをご贔屓にしてくれる紫乃ちゃんには感謝してるんだけどねぇ、若いんだから新しいお店にもチャレンジしてみな、よ。」
その美容師さんはいつもそう言って良く笑う女性で。
本当は――、そのひとに切って貰いたかったけれど。

