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アンバランスなsweet
第14章 初めてのデート‥。
「ペスカトーレ、二つ」




‥‥あれ?



片桐さんはオーダーを取りに来たボーイさんにそう言って。
でも、私はまだメニューを決めてい無かった。
そのことを伝えようとしたけれど、
柔らかな微笑みを返す片桐さんに伝えることが出来ない。




また‥‥あの違和感がぽつんと心の中に墨を落とす。




素敵なレストランで、緊張している私に、
きっと片桐さんは気を使ってくれただけ。

このお店のお薦めかも‥‥しれないし。




魚介類が好きだから、そのペスカトーレはとっても美味しくて。




「紫乃‥‥ついてる。」





私の口の端にそっと指を這わせ、
トマトソースを擦りとる。



――その指。



仕草がなんだか色っぽく、
指から目が離せなくなり、視線でその行方を追った。




片桐さんは‥‥自分の口許にその指を運ぶ。



そして、視線は私に向いたまま―――――。
その指をぺろっと舐めた。




―――美味しいよ。




そう微笑む片桐さんにドキドキして。
さっきの違和感を忘れてしまう。




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