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アンバランスなsweet
第15章 やり直す為に
卓さんの手のひらの中。
柔らかな淡いさくら色の薄紙が、
そっと花開くように丁寧に開かれる。



――ペーパーウェイト‥‥!



その奥にひっそりと鎮座するその硝子の煌めきは、
窓から差し込む午後の日差しを反射して――

キラキラと柔らかな虹色の光を放っていた。



「里奈がいなくなって。
俺の世界から色が失われた‥‥そんな絶望的な気持ちになった。

――でも、雑貨屋の店長に言われたんだ。

『お前が愛した里奈ちゃんを形にしてみたらどうだ』
って。

暗闇から光を求めるように――夢中で制作した。
シンプルだけれど、透明で柔らかなその光を、プリズムを求めて。

‥‥それがこれ。」


無心な気持ちの中には、虚栄心とか不遜な気持ちは無かった。
売り物にはならないかもしれないけれど‥‥
俺の中のアイツを形にしたんだ―――そう言って。



「紫乃さん。里奈にこの手紙と金、‥‥そして俺の気持ちを、渡して欲しいんだ。」

「‥‥でも」





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