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アンバランスなsweet
第18章 突風
「紫乃ちゃん!今帰りかい?」


「智樹兄さん…じゃなくて、智樹先生!」

「もう仕事は終わったから智樹兄さんでいいよ」


里奈ちゃんから言われた、Wデートのことを考えながら家に帰る道を歩いていた。
智樹兄さんに声を掛けられた。


―――片桐さんに相談しないで決めちゃった……



そう思いながら歩いていた時だった。



智樹兄さん。

智樹先生は、
最近、私が勤務する診療所で、
口腔ケアの勉強会を開催したり、
仕事を介しての付き合いが多かった。


私にとってはご近所の智樹兄さんでも、
他の職員には違う。

必要以上に親しい素振りは見せないようにしていた。
智樹兄さんが働きづらくないようになんて、
……変に気を回して。


でも、こうして話掛けてくれる智樹兄さんは、
私の知ってるいつもの智樹兄さん。



「今日はうちの先生と、うち合わせ、ですよね?」



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