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アンバランスなsweet
第18章 突風

「片桐さんには真さんが話するって言ってました。
それと…
紫乃さん、髪もう少し長い方似合うと思います!
じゃあ!また明日」
里奈ちゃんはそう言って。
くるっと出入り口のドアの方を向く。
いつもの笑顔で。
自分の言いたいことだけを告げて。
帰ってしまったのだ。
ふわり――…
彼女がいつも付けてる制汗剤の香りだけがその場に取り残されていた。
―――なんだか、嵐みたい。
いきなりのことで、思考がついていかない。
私は、自分のバックの中。
その卓さんからのコースターを握り締めたまま呆然と立ちすくむばかりで。
「…………あっ、…渡せなかった」
その厚紙の軽さが…重く感じられる。
私は自分の手の中にある、
その紙の感触をもてあそびながら…
――卓さんごめんなさい
そう心の中で詫びたのだった。
それと…
紫乃さん、髪もう少し長い方似合うと思います!
じゃあ!また明日」
里奈ちゃんはそう言って。
くるっと出入り口のドアの方を向く。
いつもの笑顔で。
自分の言いたいことだけを告げて。
帰ってしまったのだ。
ふわり――…
彼女がいつも付けてる制汗剤の香りだけがその場に取り残されていた。
―――なんだか、嵐みたい。
いきなりのことで、思考がついていかない。
私は、自分のバックの中。
その卓さんからのコースターを握り締めたまま呆然と立ちすくむばかりで。
「…………あっ、…渡せなかった」
その厚紙の軽さが…重く感じられる。
私は自分の手の中にある、
その紙の感触をもてあそびながら…
――卓さんごめんなさい
そう心の中で詫びたのだった。

