この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンバランスなsweet
第20章 さ迷い…triangle

次の日……。
たくさん泣いたから朝起きたら目が腫れていた。
昨日は涙が止まらなくて。
大切な何かを失ってしまったような。
そんな喪失感に襲われて―――…。
片桐さんのことは嫌いじゃない。
優しいし。大事にしてくれる。
私の怯える様子に、多分――昨日は我慢してくれたに違いなくて。
男のひとのことは良く分からないけれど。
お姉ちゃんの話では、
その気になったら、なかなかソレ止めるのは難しい……らしい。
―――そのつもりで訪ねていったアパートなのに。
……抱いて貰うつもりだったのに。
――――亜子。
片桐さんを口をついたそのひとの名前。
私じゃない女性の名前――――……。
でも……。
片桐さんは、覚悟が甘くて怖じ気付いた私の頭を優しく撫でてくれて。
そんな私を待っててくれるその紳士的な態度に、
胸がジンワリしたのは確かで。
――――キスマーク
昨日のお風呂で見つけた―――私の白い肌に鮮やかに二つ咲いていたそれは―…。
鎖骨の少し上に咲く紅い印は片桐さんが昨日つけた所有の印。

