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アンバランスなsweet
第20章 さ迷い…triangle
――― だめだよ。紫乃。
《紫乃は俺のだって印、つけるよ―…》

胸の印が疼いた気がして、思わずそこに手をあてた。


「前から気になってたんですけど……
もしかして、紫乃さん――…」

「紫乃!もう少しで片桐さんのアパートに着くから、連絡」

「……あ、うん」


里奈ちゃんの話は途中なまま―――…
片桐さんへ電話をかけた。


片桐さんが車に乗り込んでからの真くんは、さっきの無愛想が嘘みたいだった。

片桐さんと笑いながら熊さんの話をしたり、
里奈ちゃんの作ってきたクッキーを頬張りながら、優しい言葉を掛けたりしていた。


そのスポーツアミューズメントパークへ着くまでの間、私と真くんが直接話す機会は無かった……けれど、そのおどけた雰囲気はいつもの真くんで。



―――さっきのは気のせい?



楽しそうに。いつも通りに。

それは表面だけのソレで―――――……。

四人でいるのに、何故だか不自然な。
アンバランスな関係。

この不均衡な……いびつなバランスを保ちながら、
デートは始まったのだ。



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