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アンバランスなsweet
第21章 覚悟

変わってしまった紫乃に対してイライラする。そんな日が続いた。
診療所に里奈ちゃんを迎えにくれば、顔を合わせなくても、紫乃の気配は感じられ、その度に心がざわつく。
会いたくないのに会いたい。
紫乃に避けられているらしい…それは俺の心を酷く揺さぶりブルーにした。
俺の休みの日。
本屋に行く途中に見かけた紫乃。
別の男と会っていたアイツをみたら、
勝手に躯が動いた。
――俺のことは避けるのに、他の奴なら良いのかよ。
そんな自分勝手な感情に任せて、車に連れ去った。
腹がたって仕方ないのが……、この紫乃に対するイライラが、
紫乃を好きな気持ちの裏返しだというのは既に自覚している。
俺には紫乃をどうこうする権利は無い…その無力な事実。その事実を認めてしまうのが嫌で。
でも認めるしかなくて。
紫乃が好きだ―――!
何も知らない紫乃は、俺の気持ちなんてお構い無しで無防備な姿を俺の前にさらすことに躊躇いが無かったから。
この気持ちを紫乃に知られてしまったら…、片桐さんが好きな紫乃は困惑するに違いない。
……困惑して困れば良いんだ。悪魔が囁く。
俺の方に倒れて来た躯。
その不可抗力な甘い誘惑に堪えられず…、思わずきつく抱き締めた。

