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アンバランスなsweet
第22章 波の音と恋の終わり

先に行ってしまった里奈ちゃんを小走りで追いかけた。


「…里奈ちゃん、待ってっ」

「紫乃さん、早く!」

「…っ、待って」


1つしか違わないはずなのに、里奈ちゃんは凄く元気で。私は、里奈ちゃんに追い付いて、少し上がった息を整える。

車からは随分遠く離れて。
片桐さんと真くんへ私達の声が聞こえないぐらいの距離まで来た辺りで、里奈ちゃんの足が急に止まった。


「紫乃さん」

「…何、里奈ちゃん?」

「あのですね…、私、真さんとは付き合ってませんから!」

「えっ?」


今…里奈ちゃん何を言ったの?

いきなりのその爆弾発言に、一瞬頭が真っ白になって。
その後、ゆっくりその言葉が頭に入って来た。


―――真くんと里奈ちゃんは恋人じゃない


どうしよう、その言葉に凄く…嬉しくて、泣きたくなる。

でも、あんなに仲が良くて。
自分の目で目撃はした事実は消えないのだ。



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