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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

俺は、グッと拳を握り締め、釈然としない気持ちを抱えたまま。
去っていく車を茫然と見つめることしか出来ないでいたのだった。
「真さん、格好良かったですよ。好きだーってなり振り構わず叫んだ姿に、私グッときちゃいました!」
里奈ちゃんの明るい声が、少し心に痛い。
「………なぁ、里奈ちゃん。なんで、紫乃は……、片桐さんを選んだんだんだろうな」
―――なんでだよ。紫乃。
心の中で叫んだところで、俺の中の紫乃が答える訳じゃない。
「真さんには、紫乃さんがそう見えましたか?
……私にはそんな風には見えませんでした。
今日の紫乃さんはなにかを吹っ切ったみたいなそんな風に見えたけどなぁ」

