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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

――――あいつが泣く顔は見たく無いんだ。
俺の告白がちゃんと紫乃に届いていて。
それで、もし…紫乃が俺のことを好きじゃなくても。
否、それは…嫌だ。
それは全力で何とかするつもりだから、あえて、そのことは考えない事にする。
片桐さんを選んだって、紫乃、お前は幸せになれないのに。
お前じゃなくて亜子さんを見ている片桐さんのその腕にお前は―――。
――――二人とも、幸せになんかなれない
それを紫乃に教えたかったんだ。
その事実を知っても尚…片桐さんの手を取るか、と。
「……畜生!―――なんでだよっ」
予定では。
その事実を知った紫乃の手が片桐さんから離れる筈だったのだ。
そして、その手を。
片桐さんから離れたそれを、そのまま有無をいわせぬ内に俺の方へ引き寄せてしまうつもりだったのに――――。

