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第23章 対峙する心

里奈ちゃんのことだ。俺が簡単に諦めないことぐらいお見通しなはずで。

俺は…どちらかといえば、駆け引きは苦手だ。
引っ込み思案な紫乃には、自分の気持ちを何度でも真っ直ぐぶつけるぐらいが丁度良い。

里奈ちゃんの、その表情が、「真さん男でしょ！」そう言っているようで。
それが、何だか可笑しくて俺はニヤリと笑い返した。


「まさか」


まだ、紫乃からはきちんとした返事を貰っていない。それどころか、俺の気持ちが伝わったのかもわからない。


でも、あの時。
俺は叫ばすにはいられなかった。


紫乃が、片桐さんと一緒に行ってしまう―――。
それを止めたかったと言うその一心で。


形振り構わずに叫んでしまったその本心。


本当はもっとスマートに気持ちを告げる予定だったのに。