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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

―――あぁ、カッコ悪いな、俺。
俺が握りしめた紫乃の手首は白くて細いそれで。
その華奢な紫乃の躯の一部。
触れた脈動はドキドキしていて、俺をみつめたその大きく見開いたその瞳には確かに―――。
紫乃の気持ちが少しは俺に向いているんじゃないか。そう思わせるような、切なげなその瞳が俺の気持ちを暴走させた。
―――紫乃が相手だと余裕なんか無くなる
「ですよね。真さんはそうでなくっちゃ、です。
そろそろ、帰りましょうか。紫乃さんが誰かの身代わりだって話を―――私に詳しく話して下さるんですよね?」
俺は帰宅する車の中で、里奈ちゃんに図らずも恋の相談をする羽目になってしまった。
結局、走り出すと決めた俺の気持ちは、燻ったまま。そのWデートは幕を下ろしたのだ。

