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第23章 対峙する心

『私、真さんとは付き合ってませんから』


里奈ちゃんのその言葉が不意に蘇った。

あのスキーの辺りからずっと。
里奈ちゃんと真くんが付き合ってるって思いこんでいた私には、直ぐにはそのことがが信じられないた。


でも、真くんのその真っ直ぐな瞳の意味―――。


―――二人は付き合ってないんだ……


その事実に、心が跳ねる。
不謹慎にも、私の胸の中の蝶達は、片桐さんと一緒にいるにも関わらず、小さな羽根をはためかせて始める――。


「だから、彼女さん、コイツ――――なんですよ？」

「えっ？」


急に片桐さんのお兄さん――明さんから、イキナリ話を振られ、上の空だった私は少し慌ててしまった。