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第23章 対峙する心

そう逡巡して。
迷う私をそのままに――片桐さんは亜子さんのことを話し出した。


「三年前―――。

亜子は俺を置いて逝ってしまったんだ。
病名は急性白血病だった。
会社の検診で見つかったんだ。
前の年までは健康だって言われていたのに。

なんでアイツは……。」


私のその思案は。
片桐さんのその告白に、静かな流されて行く。

亜子さんはもうこの世の人では無いんだ……。
三年前に若くして亡くなったその彼女の事を話す片桐さんは辛そうで。

その心の哀しみは悲鳴を上げているみたいだった。