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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

最初は死にゆく自分を憐れむんだろうな。
残していく真くんの幸せを――隣で笑うその女性の存在をきっと妬むに違いない。
――でも。
やはり、残していく人には幸せに生きて欲しいと思う。
だって、好きな人には笑っていて欲しい。
悲しい顔は見たくないって思うだろうと――。
―――その笑顔がみたいから。
だから。
いつまでも片桐さんが立ち止まっていたら、亜子さんは心配で安らかに眠れない。
そんな悲しい顔。
今私を見つめている、そんな表情を…。
亜子さんは片桐さんにして欲しくないんじゃないか、それは亜子さんにとって悲しいことなんじゃないかって。
だから、その片桐さんの話の途中で口を挟むべきじゃない。
最後までちゃんと聞かなくちゃとそう思ったんだ。

