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アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

「俺、さっき真に色々言われてさ、正直…真に腹が立ったんた。」
片桐さんは、冷めた紅茶を飲み干して。
ゆっくり私の方を向いた。
その瞳には私が映っている。
「お前に何が解るんだって、そう叫びたくなったよ。
でも、真の言うことは正しくて。
だから俺は、余計に腹が立ったんだと思う。」
そう言いながら片桐さんは立ち上がると、新しい紅茶を入れ直してくれた。
―――きっとそれは真くんと片桐さんの二人の問題なんだろうな。
ふんわりとアールグレイの香りが私の鼻孔を充たす。
「真はね、アイツはいつも真っ直ぐな奴で――たまに眩しくなるんだ。
光のある所には、影が出来るだろ?
真のその言葉は大事な女を亡くしたことの無い男の言葉だったから。
太陽は自分の影を知らないだろう?
だからそんな風に言えるんだろうって。」

