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第23章 対峙する心

「真の言ったことを、はい、そうですか、って。
俺はすぐには認めたくなんかなかった。
躯の関係を結べば、気持ちも自然についてくるんじゃないかって――そう思った。
紫乃を…亜子を誰にも渡したくない。
だから、アパートに戻ったら、ね。
………紫乃。君を抱こうと決めていた。」


大きく目を見開いた私を見て、
片桐さんは、嫌がる女をどうこうするのは嫌なのは本当なんだと――紫乃をその気にさせるつもりだったんだと、皮肉気に笑う。

乾いた笑いを上げて、話す片桐さんのその言葉が少し恐かった。


もし、あのまま我慢していたら――抱かれていたのだろうか。
ううん。片桐さんはきっと――。


―――きっと途中で止めただろう。