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第23章 対峙する心

片桐さんのその告白は、私の心を軽くしてくれた。

身代わりにされたことを知り、心が軽くなるなんてなんだか少し皮肉な話だ。

だけど、片桐さんのその正直な気持ちを知ることができたことは。
亜子さんへの想いを聞くことが出来たことは、私の背中を押してくれた。

私も片桐さんに正直にならなきゃ。
今日決心したことをちゃんと伝えなきゃ。
そう…強く思ったんだ―――。


「片桐さん。私ね、好きなひとがいるんです。」

「それって…」

「こうして、片桐さんのお話を聞いてから、自分話するの、ずるいなって思うけど、でも。
片桐さんが一番じゃないのに、好きな人がいる、のに。
こうして、片桐さんの隣に居る資格、私には無いんです。―――だから、別れて下さい。」