この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンバランスなsweet
第23章 対峙する心

私達は一緒には居られない。
少なくとも――恋人同士としてはもう…片桐さんの隣に立つことは出来ない。
私は片桐さんに頭を下げた。
片桐さんの言葉を遮るように一気に口にした自分の気持ちは、それは私の本心で、そして願いだった。
「好きな男って―…。やっぱり、真?」
片桐さんに別れ話をしているのに。
自分の好きな人の名前――。
その名前を、別れようとしている男性に告げられる程。
私はおめでたい人間では無いつもりだったはずななのに…。
「はい」
片桐さんの瞳に見透かされて。
嘘を上手に付けるタイプじゃない私は思わず返事をしてしまった。
「あっ、でも付き合い始めた時は、片桐さんのこと好きなろうと。なれそうな気が…した…んです」
―――あぁ、私何話してるんだろう、ご丁寧に言い訳までして。

