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アンバランスなsweet
第24章 火事の現場で

―――真くんだ!
その姿を見て私は直感的にそう思った。
あの炎のなかに――。幼い命を助ける為に真くんは飛び込んだんだって。
いくら、訓練を受けているとはいっても。消防士の仕事は危険と隣り合わせだ。
人命救助がその仕事とはいえ、火事の現場を――燃え盛る炎を目の前にして、私の膝の震えは止まらなかった。
だって、あと一歩遅かったら、真くんが―――‼
真くんが…炎に呑み込まれてしまっていたかもしれなかったのだ。
女の子のお母さんが、ありがとうございます。と何度も頭を下げ続ける姿が見えて。その姿に、本当に無事で良かったって。
――――そう思うんだけれど――…。
周りの人々の歓声の中、救助した女の子を別の隊員に預け、その勇敢な消防士は消火活動に戻っていく。

