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アンバランスなsweet
第24章 火事の現場で

真くんらしき消防士を目で追うことに夢中になっていた私は、背後から急に声をかけられ、驚いてしまった。
「片桐も自分の仕事を頑張っている。しのちゃん心配で堪らないでしょう。
でも、だいぶ鎮火してきたみたいだ。
工場は全焼、アパートは半焼ってとこだろうね。」
智樹兄さんの言葉に、ハッとした。
私、真くんのことばかりで――他のことなんか全然考えられないでいたから――…。
他の消防士のひとだって。
そう、片桐さんだって、使命を果たそうと懸命に作業しているはずで。
智樹兄さんは私と片桐さんがまだつき合ってると思っているんだよね…。
――片桐を頼むよ。

