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アンバランスなsweet
第24章 火事の現場で

そんなことを思っていながら、右足を庇うようにしながら頑張る消防士の姿を目で追うことは止められない。
その姿が――その人が気になってしまうのだ。
診療所で次回の口腔ケアの講習会の相談をしていたら、消防の凄い音がして。
外に出てみたら、火事だったんだよ――そう言って微笑み合う先生と智樹兄さんだったが、先生の視線がその消防士の異変を捉えたようだった。
「…あれ?彼、足を捻挫でもしたのかな?右足を庇ってますねぇ」
「ですよね?先生、あの消防士のひと…足引きずってますよね」
真くんらしき消防士を見つめて口にした先生の言葉に、私は思わず頭を縦に振ってしまう。
さっきの救助の際に怪我をしたのだろうか…。
たぶん、あの消防士は真くんだよね――…?

