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アンバランスなsweet
第24章 火事の現場で

「里奈さん。すみませんが診療所に行って、レントゲンの電源を入れて置いてくださいませんか?多分、彼は後から受診するはずだから。」
「はい!分かりました。」
――――後から……受診?
先生の言葉にハイと返事をした里奈ちゃんは、そのまま診療所へ向かって駆け出していった。
ここから大きな病院までは車で30分ぐらい掛かってしまう距離だ。
軽い怪我なら、うちの診療所で診察するのは理にかなっているとは思うけれど…。
今日は日曜日で診療所は休診日なのに…。
「捻挫、程度であればうちで診ましょうか。」
そう言って微笑む先生の微笑み――私に向けられてのその笑みは、患者様を虜にしてしまう優しい笑みだった。

