この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
アンバランスなsweet
第24章 火事の現場で

先生が自分でレントゲンを撮影し、電子カルテの画面に映し出されたそれをみながら、俺に説明をしてくれた。
――大したことない。そう甘くみて、医者に診てもらうつもりなんてなかった俺だった。
だから、後から腫れてきたこの足に骨は大丈夫かと、少し焦った。
先生からの大丈夫だとの診断にほっと胸を撫で下ろす。
安心したせいだろうか。
うちの大事なスタッフが―――。先生のその言葉に、それって誰だ?って思いが胸をよぎった。
「それって誰ですか?」
「うん。君のよく知る女性だと思うよ。」
思い切って聞いた俺に、飄々とした態度を崩さない先生で。その言葉に、先生と一緒に迎えに来たアイツの泣きそうな顔が頭に浮かぶ。
―――紫乃、だろうか?

