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アンバランスなsweet
第24章 火事の現場で

助けたい。
その志を胸に働く。それが俺達の仕事だ。
消防士を志た者なら。
普段はふざけてばかりいる仲の良い仲間な俺達だ。
でも。
仲間の誰でも同じことをしたに違いない。
俺はただ目の前の仕事をしただけだ。
凄かったね!そう誉められたいが為に、頑張ったわけじゃなかった。
だけど――。
男は好きな女にはいいこと見せたいもんだし、紫乃の前では――そうありたいと思う。
紫乃からの『頑張ったね』なんて、そんな誉め言葉が。―――その言葉が欲しい。なんて…。そう思う俺は……重傷だ。
アイツのその表情のその意味を知りたくて。だから、どうしても紫乃の方に目が行ってしまうのだった。
紫乃と目があう度、
その度に少しだけ目を背ける紫乃の姿に、なんだか避けられてる様な――そんな気がして。

