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第24章 火事の現場で

紫乃は片桐さんの彼女で―…。

あの後、片桐さんが何も手を打たないと思うほど俺はお人好しじゃなかった。

片桐さんは紫乃になんと言ったのか――。身代わりだと紫乃は知っているんだろうか。

俺と里奈ちゃんを残して去った片桐さんと紫乃のその後を考えれば、俺の気持ちは焦るばかりで。



―――俺の告白…聞こえていたのか？



聞こえていればイイと思う。――紫乃の心に俺の想いが少しでも届いて。
そこから紫乃が片桐さんと向き合うきっかけになればイイ。

紫乃の気持ちに隙が出来たら――俺はそのチャンスを逃すつもりはなかった。


―――今日、俺…頑張ったんだぜ。


あの火事を見に来ていたなら、今日の俺の勇姿を見てくれていたんだろ？