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アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち


―――チクリ。


まるで、針を刺されたみたいに胸が痛んで。
その鈍い痛みは、抜けない棘みたいに胸に引っ掛かっている。

片桐さんへ、自分の気持ちを打ち明ける勇気をくれたのは――。
背中を押してくれたのは里奈ちゃんだった。

だから私は、簡単にだけれど片桐さんとのことを打ち明けることを決めたのだ。


今日――片桐さんのアパートで亜子さんが後押ししてくれなかったら、私はまだズルズルと関係を続けてしまっていたかもしれない。


ううん。
多分―――きっと。

コンプレックスから、人との関わりが苦手な私のことだもの。
そうに違いなかった。


片桐さんに別れを告げる事を決めた私は、そのつもりで片桐さんのアパートへ一緒に向かった。

でも、アパートの中で、なかなか言い出しにくいその一言を口にする前に、片桐さんに抱きすくめられてしまって。


―――片桐さんのその抱擁を躯が拒絶する私を助けてくれた彼女のは亜子さんの写真だったんだよね。

亜子さんの写真が無かったら――私…その気持ちを。


―――きちんと口に出来ただろうか。



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