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アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち


「紫乃さん、とうとう決めたんですね」

「うん。」


―――でも。


消防士の仕事は我が身を呈して人を助ける事で、今日みたいな火事や、自然災害などいつも危険と隣合わせで。

真くんが好きなことを自覚してから、漠然と感じていたその不安が、今日急に現実味を帯びてしまう。

その仕事を素晴らしいことだと、そう思う反面、足がすくんでしまっている私がいる。

その私は、真くんが無事なら、他の人なんてどうでもいい――そんな風に心に囁くのだ。

そんな事を思う私は、凄く身勝手な人間だと思う。

彼が真摯に取り組んでいる仕事に対し、そんな風に思うのは間違ってる。
そう頭では解っているのに、心はそう思ってはいない。

もちろん、あの女の子が助かって凄く良かったと思う気持ちに偽りなんか無い。
心からそう思ったし、今だって思っている。

でも……、真くんの足のケガに気が付いた時。
私の背中に冷たい汗が流れたのだ。



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