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アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち


―――誰も誰かの身代わりになんてなれないのだ。



紫乃は、紫乃でしかなくて、亜子さんには決してなれない。
片桐さんにとって、亜子さんさんは無二の存在で、紫乃自身を好きな訳じゃない。


そのことに気がついた時、きっと、紫乃――お前は後悔する。
きっと、傷付いてしまう―――。


少しづつ花開いてきたお前が潰されてしまうのが嫌だった。

紫乃自身がそれで納得していたとしても、絶対、説得してやる。俺は――強くそう思ったのだ。



「私―――、私ね。
今日、海からの帰りに、片桐さんにキチンと自分の気持ちを話そうって決めて。――――片桐さんのアパートに寄ったの。
少し前から気が付いていた自分の気持ちの違和感に決着を着けるために――。

その時に、亜子さんの写真を見つけて。
自分が、身代わりだったんだって知ったんだ。

――――でもね、」


俺の言葉をさえぎった紫乃が、意を決したように、一気に話はじめた。

俺に向かって、一生懸命自分の気持ちを伝えていた紫乃の言葉が、ふっと途切れたその瞬間、その顔に寂しそうな表情が浮かぶ。



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