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アンバランスなsweet
第25章 繋がる気持ち

雨が打ち付けるフロントガラスの方に視線をさ迷わせながら、次の言葉を懸命に探している紫乃。

自分の言葉で何かを伝えようとしているその姿に、俺は――。

ちゃんと、その話を聞いてやらないといけないような気がして。
静かに見守ることしか出来なかった。




「でも、身代わりだって知った時―――ちょっとホッとした自分がいたの。

だって、片桐さんに告白されて、私が片桐さんのその手をとった理由は、片桐さんが好き――その理由じゃ無かったんだもの。」


最初の言葉から少しの間が開いて。

寂しそうな様子から、意を決したかの様に急いた口調でそこまで言葉を吐き出すと、紫乃は下を向いてしまう。
その背中を丸めた躰が小さくなる。



―――片桐さんが好きじゃない?
なら、何で、何でお前は片桐さんと付き合うことにしたんだ?



自分を好きになってくれる男なら、誰でも良かったのか?
そんな風に小さくなるような恋ならやめちまえ。

なら―――俺の手を、選べよ。




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