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アンバランスなsweet
第26章 繋がった気持ち

 
 さっきから何度も何度も鳴っている電話に無視を決め込んで、私と一緒にいてくれる真くんだったけれど、当たり前だけれど消防署の方は諦める気配はないみたいだ。
 
 しつこいぐらいに鳴っている電話を恨めしそうな顔で見つめている真くんの顔が可愛い。
 
 渋々電話に出た真くんは、大好きなお菓子を取り上げられた子どもみたいにブスっとした顔をしながら、熊さんに捻挫のことを報告していた。
 
 そんな彼の横顔を見ていると、自然と私の顔はフニャッとにやけてしまうのを止められなくなる。
 だってそれは、私と長く一緒にいたい―――っていう意味で。

 好きな男(ひと)から、好きだと想われる事がこんなにも甘酸っぱい気持ちになることだなんて。ただ、こうして隣にいるだけでフワフワとした気持ちに包まれてしまうなんて。
 
 
 ―――両想い。
 
 
 それは想像していたより、ずっと、ずっと、ずっと私を幸せな気分にしたのだった。



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