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アンバランスなsweet
第10章 ひらきはじめた蕾
――湯上がりと言ったら牛乳でしょ!



本当は銭湯の後に飲むもの?なのかも、だけれど。
紫乃は湯上がりに飲む

“フルーツ牛乳”

なる飲み物がが好きだった。



さっきの浴槽での恥ずかしい会話。

そして‥。



「まことー、紫乃ちゃんのことどう想ってんの?」

「あんな奴‥すっ、好きでも何でも無いっすよ。」



真くんの言葉にショックを受けている自分がいて。



――あれ‥私なんでこんなに動揺してるんだろう。



さっきまであんなに楽しくて、キラキラしていた時間に包まれていたのに。


真くんのその一言に楽しい気持ちをペシャンコにした。
そんな自分をみんなに見せたくたくて。
傷付いている自分に気が付かれたく無くて。



「フルーツ牛乳買ってくるね!」


休憩所の自販機には無いその商品。
入り口側のお土産売り場にて販売していることを、何回かこの温泉に訪れている紫乃は知っていたから。


――みんなのいる休憩所から逃げだしたのだ。






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