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アンバランスなsweet
第10章 ひらきはじめた蕾

フルーツ牛乳が好きなのは本当で。
少しだけみんなから離れて、フルーツ牛乳を飲みながら気持ちを落ち着かせて、切り替えなきゃ!
そんな気持ちで一人お土産売り場にやって来た私。
「あれ?紫乃ちゃん。フルーツ牛乳?」
片桐さんが私を見つけて話かけて来た。
一人になりたくてここに来たのに‥。
――みつかっちゃった。
「俺も牛乳飲みたくてさ‥。
紫乃ちゃん‥。
さっきの浴室での俺とまことの会話‥、もしかして聞こえてた?」
「‥。」
聞こえていたけど。何となく‥そう口に出したくない。
私は下を向いたまま片桐さんに言葉を返すことが出来ないでいた。
飲みかけの‥、大好きなフルーツ牛乳の味も良く解らなく‥。瓶を手で弄ぶ。
「紫乃ちゃんが俺を見た時の顔で何となくね。
あそこに座ろうか。」
そう口にした片桐さんは私の背中に手を当てて、このフロアの端にある長椅子に私を誘導した。
エントランスには、お土産売り場の外にレストランや、チビッコ向けの小さいゲーセンがあって。長椅子が設えてある辺りはひと気が無く、話をするには都合が良かった。
少しだけみんなから離れて、フルーツ牛乳を飲みながら気持ちを落ち着かせて、切り替えなきゃ!
そんな気持ちで一人お土産売り場にやって来た私。
「あれ?紫乃ちゃん。フルーツ牛乳?」
片桐さんが私を見つけて話かけて来た。
一人になりたくてここに来たのに‥。
――みつかっちゃった。
「俺も牛乳飲みたくてさ‥。
紫乃ちゃん‥。
さっきの浴室での俺とまことの会話‥、もしかして聞こえてた?」
「‥。」
聞こえていたけど。何となく‥そう口に出したくない。
私は下を向いたまま片桐さんに言葉を返すことが出来ないでいた。
飲みかけの‥、大好きなフルーツ牛乳の味も良く解らなく‥。瓶を手で弄ぶ。
「紫乃ちゃんが俺を見た時の顔で何となくね。
あそこに座ろうか。」
そう口にした片桐さんは私の背中に手を当てて、このフロアの端にある長椅子に私を誘導した。
エントランスには、お土産売り場の外にレストランや、チビッコ向けの小さいゲーセンがあって。長椅子が設えてある辺りはひと気が無く、話をするには都合が良かった。

