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アンバランスなsweet
第10章 ひらきはじめた蕾

――売り言葉に買い言葉じゃ無いけれど‥。
口から思わず飛び出した言葉に自分でも驚く。
真くんに向かって開き始めていた自分の気持ち‥。
その気持ちを心の奥に無理矢理にしまい込んで。
言葉に出来ない気持ち‥。
涙にも出来ない気持ちは―‥。
真くんをただ見つめることでしか現すことが出来なくて‥。届かないままに宙を彷徨う。
「よかったな、紫乃‥。
片桐さんなら、お前のこと‥幸せにしてくれる。」
真くんの私を見る眼が切なく揺れている。
その口許に浮かぶは‥皮肉気な笑み。
「お邪魔な俺は、退散するかなー!
お二人さん、みんな待ってるんで、適当に戻って下さいね。」
明るい口調で‥。
そう言い放った真くんはみんなが待つ休憩所へ戻って行ってしまった。
取り残された残されたのは片桐さんと私。
「‥紫乃ちゃん。本当にいいの?」
片桐さんの気遣う声がして、私はコクンと頷いた。
――だって真くんは私のこと好きじゃない。
――片桐さんなら私を幸せにしてくれる。
一番大切なものを置き去りにして、私は片桐さんの手を取った。
真くんに向かって開いた花の蕾はもう開き始めていたというのに―‥。
口から思わず飛び出した言葉に自分でも驚く。
真くんに向かって開き始めていた自分の気持ち‥。
その気持ちを心の奥に無理矢理にしまい込んで。
言葉に出来ない気持ち‥。
涙にも出来ない気持ちは―‥。
真くんをただ見つめることでしか現すことが出来なくて‥。届かないままに宙を彷徨う。
「よかったな、紫乃‥。
片桐さんなら、お前のこと‥幸せにしてくれる。」
真くんの私を見る眼が切なく揺れている。
その口許に浮かぶは‥皮肉気な笑み。
「お邪魔な俺は、退散するかなー!
お二人さん、みんな待ってるんで、適当に戻って下さいね。」
明るい口調で‥。
そう言い放った真くんはみんなが待つ休憩所へ戻って行ってしまった。
取り残された残されたのは片桐さんと私。
「‥紫乃ちゃん。本当にいいの?」
片桐さんの気遣う声がして、私はコクンと頷いた。
――だって真くんは私のこと好きじゃない。
――片桐さんなら私を幸せにしてくれる。
一番大切なものを置き去りにして、私は片桐さんの手を取った。
真くんに向かって開いた花の蕾はもう開き始めていたというのに―‥。

